筋トレすると手の平が痛くなる!その原因と今日から始められる対策法
「よし、今日も筋トレ頑張るぞ!」と意気込んでジムに行ったはいいものの、バーベルやダンベルを握ると手の平がズキズキ…。トレーニング中も痛みが気になって集中できないし、終わった後は手の平が真っ赤。ひどい時には水ぶくれや豆ができて、翌日はパソコンのキーボードを打つのも辛い。
そんな経験、ありませんか?
実は、筋トレ初心者から中級者まで、多くの人が「手の平の痛み」という壁にぶつかります。せっかくモチベーション高くトレーニングを始めたのに、手の平が痛くて続けられない…なんて、もったいないですよね。
でも、安心してください!手の平の痛みには明確な原因があり、それぞれに効果的な対策法が存在します。この記事では、筋トレ歴10年以上の経験と、トレーナーから学んだ知識を総動員して、手の平の痛みを徹底解説。原因から予防法、実際に使えるアイテムまで、あなたの悩みを解決するすべてをお伝えします。
この記事を読み終わる頃には、もう手の平の痛みに悩まされることなく、思いっきりトレーニングに集中できるようになっているはずです!
手の平が痛くなる5つの主な原因
1. 摩擦による皮膚へのダメージ
筋トレで手の平が痛くなる最も一般的な原因は、器具との摩擦です。特にバーベルやダンベル、懸垂バーなどの金属製の器具は表面がザラザラしているものも多く、握るだけで皮膚に相当な負担がかかります。
トレーニング中、私たちは意外と手の中で器具を微妙に動かしています。例えば、デッドリフトやベンチプレスでは、挙上の瞬間に手の中でバーがわずかにずれることがあります。このわずかな動きが、繰り返されることで皮膚表面を削り取っていくのです。
特に手の平の外側、小指の下あたりや、親指の付け根部分は摩擦の影響を受けやすい部位です。ここは皮膚が薄く、骨が近いため、ダメージを受けやすいんですね。
2. 過度な圧力による痛み
重いウェイトを扱うと、当然ながら手の平にかかる圧力も増大します。特に、グリップ力が弱い初心者の場合、器具を落とさないように必要以上に強く握りしめてしまいがちです。
この「握りしめすぎ」が、手の平に集中的な圧力を生み出し、痛みの原因となります。100kgのバーベルを持ち上げるとき、その重量が小さな手の平の面積に集中するわけですから、相当な圧力になることは想像できますよね。
また、圧力が一点に集中すると、そこだけが特に痛くなります。これは握り方の問題でもあるのですが、後ほど詳しく解説します。
3. 正しくないグリップ(握り方)
実は、多くの人が間違った握り方をしているために、必要以上に手の平を痛めています。バーを手の平の中央で握ってしまうと、皮膚が挟まれて痛みや豆の原因になります。
正しい握り方は、バーを指の付け根(手の平と指の境目あたり)で握ることです。こうすることで、皮膚の遊びが少なくなり、摩擦を最小限に抑えられます。
プルアップ(懸垂)などでは、親指を巻き込まない「サムレスグリップ」という握り方もあります。これは親指をバーの上に乗せず、他の指と同じ側で握る方法で、前腕への負荷を高める効果もありますが、グリップの安定性は若干下がるので、慎重に選択する必要があります。
4. 皮膚が薄い、または柔らかい
筋トレを始めたばかりの人は、手の平の皮膚がまだ「鍛えられて」いません。デスクワークが中心の生活をしていた人なら、手の平の皮膚は比較的柔らかく、摩擦や圧力に弱い状態です。
一方、筋トレを長年続けている人の手の平を見ると、皮膚が厚くなり、いわゆる「カルス(マメの硬化したもの)」ができていることが多いです。これは身体が自然に防御反応として皮膚を厚く、強くしている証拠なんです。
つまり、痛みは一時的なもので、続けていくうちに手の平も強くなっていきます。ただし、適切なケアをしないと、ひび割れや感染症のリスクもあるので注意が必要です。
5. 長時間のトレーニングや高頻度
週に1〜2回、適度な時間でトレーニングしている分には問題なくても、週5〜6回、しかも毎回2時間以上トレーニングするような場合、手の平の回復が追いつかなくなることがあります。
特に、連日同じ部位や同じ器具を使うトレーニングをすると、同じ場所に繰り返しダメージが加わり、痛みが慢性化します。筋肉と同じで、皮膚にも休息と回復の時間が必要なのです。
手の平の痛みを引き起こしやすい種目とは?
すべての筋トレ種目が同じように手の平を痛めるわけではありません。特に手の平への負担が大きい種目を知っておくと、対策も立てやすくなります。
デッドリフト
おそらく最も手の平に負担がかかる種目がデッドリフトです。高重量を扱うだけでなく、バーを持ち上げた状態でキープする時間が長く、しかもバーが手の中で微妙に動きやすいのが特徴です。
特に高回数のデッドリフトを行うと、セット後半で握力が落ちてきて、バーが手の中で滑り始めます。この滑りが摩擦を生み、手の平を削っていくんですね。
懸垂・チンアップ
自分の体重を腕で支えるプルアップ系の種目も、手の平への負担大です。特に初心者の場合、背中の筋肉がまだ弱いため、腕と握力に頼りがちになり、必要以上に強く握ってしまいます。
また、動作中にバーの上で手がずれると、一気に皮膚がめくれることもあります。
ローイング系種目
ベントオーバーロウ、ワンハンドダンベルロウなど、引く動作の種目も手の平への負担が大きいです。特にダンベルの場合、グリップ部分が細く、圧力が集中しやすいという特徴があります。
ファーマーズウォーク
重いダンベルやケトルベルを持って歩くこの種目は、グリップ力を鍛える効果が高い反面、手の平への負担も相当なものです。長距離を歩くほど、摩擦も増えていきます。
今日から実践できる!手の平の痛み対策7選
対策1:トレーニンググローブを使用する
最も手軽で効果的な対策が、トレーニンググローブの使用です。グローブは手の平と器具の間にクッションを作り、摩擦と圧力の両方を軽減してくれます。
選び方のポイントは:
- パッド部分が厚すぎないもの:厚すぎるとバーの感覚が掴みにくくなります
- 通気性の良い素材:汗で蒸れるとかえって滑りやすくなります
- 手首のサポート機能があるもの:ベンチプレスなどでは手首保護も重要です
- 洗濯可能なもの:清潔に保てることは重要です
ただし、グローブにもデメリットがあります。それは、握力の発達が若干遅れる可能性があることと、素手よりも「器具との一体感」が減ることです。パワーリフティング競技などでは素手が基本なので、競技を目指す人は使用を慎重に検討しましょう。
対策2:リストストラップを活用する
デッドリフトやローイング系の引く動作では、リストストラップ(リフティングストラップ)が非常に有効です。これは、手首に巻いた布をバーに巻きつけることで、握力を補助してくれるアイテムです。
ストラップを使うと:
- 握力の限界を超えて高重量を扱える
- 握る力が少なくて済むので、手の平への圧力が減る
- 前腕が先に疲れることがなくなり、ターゲット筋に集中できる
使い方は少しコツが必要ですが、一度覚えてしまえば簡単です。YouTubeなどで「リストストラップ 使い方」と検索すると、たくさんの解説動画が見つかります。
対策3:チョークを使用する
ジムによっては使用禁止のところもありますが、使える環境なら液体チョーク(リキッドチョーク)がおすすめです。手の平に薄く塗ることで、滑り止め効果が生まれ、握る力を最小限に抑えられます。
粉末タイプのチョークは飛散するので禁止しているジムが多いですが、液体タイプなら許可しているところも増えています。使用前に必ずジムのルールを確認しましょう。
対策4:グリップの改善(正しい握り方を学ぶ)
先ほども触れましたが、握り方を改善するだけで痛みが劇的に減ることがあります。
バーベルの正しい握り方:
- バーを指の付け根(手の平と指の境界線)に乗せる
- 指でしっかり包み込む
- 親指はバーの下から巻き込む(オーバーハンドグリップの場合)
- 手の平の中心部分ではなく、下部(指側)でバーを保持する意識を持つ
この握り方だと、皮膚が挟まれにくく、摩擦も最小限になります。最初は違和感があるかもしれませんが、すぐに慣れます。
対策5:テーピングでピンポイント保護
特定の部分だけが痛む場合、スポーツテープで保護する方法も効果的です。親指の付け根や小指の下など、痛みが出やすい部分に予防的にテープを貼っておくと、摩擦から皮膚を守れます。
キネシオロジーテープよりも、布製のスポーツテープの方が強度があってお
すすめです。ただし、あまり厚く巻きすぎると握りにくくなるので、1〜2周程度に抑えましょう。
対策6:トレーニング量の調整
痛みが出ているのに無理を続けると、症状が悪化するだけです。痛みを感じたら、以下のような調整を検討しましょう:
- 1週間あたりのトレーニング日数を減らす
- 1回のセッションの時間を短くする
- 手の平への負担が少ない種目(マシン系)を中心にする
- プッシュ系(押す動作)とプル系(引く動作)を分けて、連日同じ負担がかからないようにする
特に初心者の場合、「週3回、1回1時間程度」から始めて、徐々に増やしていくのが理想的です。
対策7:トレーニング後のケア
トレーニングが終わったら、手の平のケアも忘れずに行いましょう:
- 手を洗う:汗や汚れを落とし、清潔に保つ
- 保湿:ハンドクリームで皮膚の柔軟性を保つ(ただし、過度な保湿は逆効果の場合も)
- マッサージ:血行を促進し、回復を早める
- 水ぶくれができたら:清潔な針で水を抜き、消毒する(自己責任で。心配な場合は皮膚科へ)
また、カルス(固くなった皮膚)が厚くなりすぎた場合は、軽石やヤスリで優しく削ることも考えましょう。厚くなりすぎると、かえってめくれやすくなります。
レベル別:おすすめの対策アプローチ
初心者(筋トレ歴3ヶ月未満)
この段階では、まず手の平を「鍛える」ことが大切です。といっても、特別なことをする必要はありません。
おすすめの対策:
- トレーニンググローブを使用(手の平を保護しながら慣れる)
- 軽めの重量から始める
- 正しい握り方を最初から身につける
- 週2〜3回、1回45分〜1時間程度に抑える
- トレーニング後の保湿ケア
初心者のうちは、多少の痛みや違和感は「慣れ」の過程です。ただし、水ぶくれができたり、皮膚がめくれたりした場合は、無理せず休息を取りましょう。
中級者(筋トレ歴3ヶ月〜1年)
この段階になると、ある程度手の平も強くなってきています。より効果的なトレーニングのために、アイテムを使い分けることを検討しましょう。
おすすめの対策:
- 種目によってグローブとストラップを使い分ける
- プル系の高重量種目ではストラップを積極的に使用
- グリップ力を鍛える日は素手で、それ以外はグローブで
- チョークの使用を検討(ジムが許可している場合)
- 部位分割トレーニングで、手の平への負担を分散
上級者(筋トレ歴1年以上)
経験豊富なトレーニーは、自分の身体をよく知っているはずです。手の平の状態を見ながら、臨機応変に対応しましょう。
おすすめの対策:
- 競技やコンテストが近い場合は素手、それ以外はアイテム使用
- カルスのメンテナンス(定期的に削る)
- ハンギング(ぶら下がり)やファーマーズウォークでグリップ力強化
- 必要に応じてテーピング
- 疲労管理の一環として手の平の状態もチェック
手の平を強くする:カルス形成のメカニズム
「痛いのは嫌だけど、グローブに頼りたくない」という人もいるでしょう。そういう方は、正しい方法で手の平を「鍛える」ことができます。
手の平の皮膚は、繰り返しの刺激によって厚く、硬くなります。これがカルス(callus)です。カルスは身体の自然な防御メカニズムで、適度に形成されれば、グローブなしでも快適にトレーニングできるようになります。
カルスを育てるポイント:
- 段階的な負荷:いきなり高重量、高頻度では皮膚がついていけません。少しずつ増やしましょう
- 一貫性:週1回の激しいトレーニングより、週3回の適度なトレーニングの方がカルス形成には有効
- 適度な休息:皮膚にも回復時間が必要です
- 保湿しすぎない:過度な保湿は皮膚を柔らかく保ち、カルス形成を妨げます
- 維持管理:厚くなりすぎたら削る。バランスが重要
ただし、見た目を気にする場合、特に女性の場合は、カルスを作ることに抵抗があるかもしれません。その場合は、無理にカルスを作る必要はなく、グローブなどのアイテムを活用するのが賢明です。
よくある質問と答え
- グローブを使うと握力が鍛えられなくなりますか?
-
若干の影響はあるかもしれませんが、大きな問題ではありません。グリップ力を特化して鍛えたい場合は、専用の種目(ハンギング、グリッパー使用など)を取り入れれば十分カバーできます。手の平の痛みでトレーニングの質が下がる方が問題です。
- 水ぶくれができました。潰すべきですか?
-
基本的には自然に吸収されるまで待つのがベストです。ただし、大きくて邪魔な場合は、清潔な針で穴を開けて水を抜き、しっかり消毒してください。皮膚は剥がさず、保護のために残しておきましょう。心配な場合は皮膚科を受診してください。
- 手の平の皮がめくれました。トレーニングは休むべきですか?
-
軽度なら、テーピングで保護してマシン中心のトレーニングに切り替えれば続けられます。痛みが強い、化膿しているなどの場合は、完治するまで休息を取りましょう。無理をすると悪化します。
- 手の平だけでなく、指も痛くなります
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グリップが強すぎる可能性があります。必要最小限の力で握る練習をしましょう。また、バーの太さが手に合っていない可能性もあります。細いバーや太いバーなど、いろいろ試してみてください。
- 冬は特に痛みがひどいです
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冬は空気が乾燥し、皮膚も硬くなりやすいため、ひび割れや痛みが出やすくなります。こまめな保湿と、トレーニング前のウォームアップ(軽い重量で握る動作を繰り返す)が効果的です。
快適なトレーニングのために
手の平の痛みは、筋トレを続ける上で避けて通れない問題…と思われがちですが、実は適切な対策を取れば、ほとんど解消できる問題なんです。
この記事のポイントを復習しましょう:
痛みの主な原因は:
- 摩擦による皮膚ダメージ
- 過度な圧力
- 間違った握り方
- 皮膚が未発達
- 過度なトレーニング量
効果的な対策は:
- トレーニンググローブの使用
- リストストラップの活用
- チョークで滑り止め
- 正しいグリップの習得
- ピンポイントテーピング
- トレーニング量の調整
- アフターケア
レベルに応じたアプローチ:
- 初心者:保護重視、グローブ使用、正しいフォーム習得
- 中級者:アイテムの使い分け、部位分割
- 上級者:カルス管理、目的に応じた柔軟な対応
最も大切なのは、「我慢する」ことではなく、「適切に対処する」ことです。痛みを我慢してトレーニングを続けても、フォームが崩れたり、モチベーションが下がったりと、良いことはありません。
むしろ、手の平をしっかりケアすることで、より高重量を扱えるようになり、トレーニングの質も向上します。プロのボディビルダーやパワーリフターでも、多くの人がグローブやストラップを使用しています。それは「弱さ」ではなく、「賢さ」なのです。
あなたの目標は何ですか?マッチョになること?健康的な身体を作ること?競技で勝つこと?どんな目標であれ、手の平の痛みがその妨げになる必要はありません。
今日から、この記事で学んだ対策を一つでも実践してみてください。グローブを買ってみる、握り方を見直してみる、トレーニング後に保湿してみる…何でもOKです。小さな一歩が、快適なトレーニングライフへとつながります。
痛みのない、楽しい筋トレライフを!あなたのトレーニングが、より充実したものになることを願っています。さあ、今日もジムで最高のワークアウトをしましょう!
最後に一言: この記事が役に立ったら、同じように悩んでいる友人やトレーニング仲間にもシェアしてあげてください。みんなで快適にトレーニングできる環境を作っていきましょう!
そして、どんな対策を試しても改善しない場合や、異常な痛み・腫れ・しびれなどがある場合は、整形外科や皮膚科を受診することをおすすめします。専門家のアドバイスに勝るものはありませんからね。

