インナーマッスルの鍛え方
インナーマッスルは、体の奥深くにある小さな筋肉群です。
表面の筋肉(アウターマッスル)と違い、目には見えにくいため、鍛える重要性を見落としがちです。しかし、姿勢の維持、基礎代謝の向上、関節の安定、腰痛や肩こりの予防、スポーツパフォーマンスの向上など、健康と美容・運動能力に深く関わっています。
最近では、ボディメイクやダイエットを目的としたトレーニーだけでなく、アスリートやリハビリ患者まで、幅広い人々がインナーマッスルを鍛える重要性を理解し、日常に取り入れています。
この記事では、「なぜインナーマッスルを鍛えるべきか」から、「具体的なトレーニング方法」までを網羅的に解説し、初心者でも今日から始められる完全ガイドをお届けします。
インナーマッスルとは?
インナーマッスル(deep muscle)は、骨や関節に近い位置にある深層筋群を指します。
代表的なインナーマッスルには以下があります:
- 体幹のインナーマッスル
- 腹横筋(ふくおうきん)
- 多裂筋(たれつきん)
- 横隔膜(おうかくまく)
- 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
- 肩周りのインナーマッスル
- ローテーターカフ(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)
- 股関節周りのインナーマッスル
- 腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)
これらは関節の安定性を保ち、体を効率よく支えるために重要な役割を果たします。
インナーマッスルを鍛える理由
インナーマッスルを鍛えることで得られるメリットは非常に多く、以下の5つが特に重要です。
3-1. 姿勢の改善
インナーマッスルは体幹を支え、骨盤や背骨を正しい位置に保ちます。
現代人は長時間のデスクワークで猫背になりやすく、腰痛や肩こりの原因となります。
インナーマッスルを鍛えることで自然なS字カーブを取り戻し、美しい姿勢を維持できます。
3-2. 基礎代謝の向上
インナーマッスルは小さい筋肉でも持続的に働き続けるため、活動代謝をサポートします。
特に腹横筋や多裂筋は常に体を安定させるために使われるので、鍛えることで消費カロリーが増加し、太りにくい体質へと変化します。
3-3. ケガの予防と関節の保護
スポーツや日常動作で起きるケガの多くは、関節の安定性不足が原因です。
インナーマッスルが弱いと、ジャンプ着地時の膝のブレや肩の脱臼リスクが増加します。
強いインナーマッスルは関節を安定させ、スポーツパフォーマンスを向上させるだけでなく、ケガを防ぐ盾となります。
3-4. 呼吸の質を高める
横隔膜をはじめとした体幹のインナーマッスルは、呼吸をコントロールしています。
深くゆっくりした腹式呼吸が可能になり、自律神経の安定やリラックス効果が期待できます。
3-5. ダイエット・ボディメイクへの効果
お腹周りのインナーマッスルを鍛えると、ぽっこりお腹の改善やくびれ作りに役立ちます。
女性は美しいウエストラインを作り、男性は引き締まった体幹を手に入れることができます。
部位別インナーマッスル解説
4-1. 体幹のインナーマッスル
- 腹横筋:お腹の奥にあり、コルセットのように腰を安定させる。
- 多裂筋:背骨を支える小さな筋肉群で、姿勢の保持に不可欠。
- 骨盤底筋群:骨盤の下部にある筋肉で、体幹の安定・内臓の位置を保つ。
4-2. 肩のインナーマッスル(ローテーターカフ)
- 棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋
- 肩関節を安定させ、スポーツや日常動作のケガ予防に欠かせない
4-3. 股関節のインナーマッスル
- 腸腰筋:脚を持ち上げる動作に重要で、ランニングやジャンプの効率を向上。
インナーマッスルの鍛え方(具体的トレーニング)
5-1. 体幹系
プランク(Plank)
- うつ伏せで肘とつま先を床につける
- 体を一直線に保つ
- 20〜30秒キープ(慣れたら60秒以上)
制作者 hiroyuki腹横筋・多裂筋を効果的に鍛える
デッドバグ(Dead Bug)
- 仰向けになり、両手両足を天井へ伸ばす
- 片手と反対の足をゆっくり下ろし、床ギリギリで止める
- 左右交互に繰り返す(10〜15回×3セット)



体幹を安定させる重要なトレーニング
5-2. 骨盤底筋・呼吸系
ドローイン(Draw-in)
- 仰向けになり膝を曲げる
- 息を吐きながらお腹をへこませ、腰を床に押し付ける
- 10秒キープ(10回×3セット)



腹横筋と骨盤底筋群を同時に活性化
5-3. 肩のインナーマッスル
チューブ・エクスターナルローテーション
- チューブをドアなどに固定
- 肘を90度に曲げ体側に固定
- 外側へ腕をゆっくり開く(15回×3セット)



ローテーターカフを強化し肩の安定性を向上
5-4. 股関節周り
ヒップフレクサーレイズ
- 椅子に浅く座る
- 片足をゆっくり持ち上げる
- 3秒キープして下ろす(左右10回×3セット)



腸腰筋を鍛え、腰痛予防・運動能力UP
よくある失敗と改善ポイント
- 失敗1:腹圧をかけられていない
- トレーニング中は呼吸を止めず、息を吐きながらお腹を引き込む
- 失敗2:動作が速すぎる
- インナーマッスルは遅筋繊維が多いため、ゆっくりとした動きが効果的
- 失敗3:負荷が強すぎる
- 初心者は体重のみで十分。正しいフォームを優先する
- 初心者は体重のみで十分。正しいフォームを優先する
まとめ
インナーマッスルを鍛えることは、単に見た目を変えるだけでなく、健康・姿勢・代謝・パフォーマンスの全てを底上げする基盤づくりです。
特に現代人は、座りっぱなしや運動不足でインナーマッスルが弱まりがちです。
本記事で紹介したプランク、デッドバグ、ドローイン、チューブトレーニングなどを1日5〜10分からでも習慣化することで、数週間後には姿勢や体幹の安定を実感できるでしょう。
継続こそが最強のトレーニングです。
無理をせず、少しずつステップアップしながら、しなやかで強い体を手に入れてください。










