ハムストリングスの鍛え方

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ハムストリング内外別トレ完全ガイド|怪我予防と爆発力を手に入れる筋トレ方法解説

ハムストリングは太ももの裏にある大きな筋肉群で、走る・跳ぶ・しゃがむといった動作の要となる部位です。日常生活はもちろん、スポーツや筋トレのパフォーマンスを左右する「縁の下の力持ち」ともいえる存在。
しかし、多くの人は「太ももの裏」として一括りに考えてしまい、内側と外側の役割の違いを意識できていません。実は、これを理解して鍛え分けることで、爆発的な力と安定性を同時に手に入れることができます。

本記事では、ハムストリングの内外を分けて鍛える意義から、具体的なトレーニング方法までを徹底解説します。


ハムストリングとは?解剖学的な役割

ハムストリングは大きく分けて3つの筋肉で構成されています。

  • 大腿二頭筋(外側)
    太ももの外側に位置し、膝の屈曲や股関節の伸展を担当。短距離走やジャンプの爆発力に直結。
  • 半腱様筋・半膜様筋(内側)
    太ももの内側に位置し、膝の安定や姿勢保持に大きく関与。腰痛や膝のケガ予防にも重要。

「外側=パワー」
「内側=安定性
という役割分担がある。


なぜ内外を分けて鍛える必要があるのか?

1. スポーツパフォーマンス向上

  • 外側(大腿二頭筋)を鍛えると、ダッシュやジャンプで地面を蹴る力が強化。
  • 短距離走、バスケやサッカーの切り返し動作など、爆発的な動きに直結します。

2. ケガ予防と姿勢改善

  • 内側(半腱様筋・半膜様筋)は骨盤や膝の安定に関わるため、偏りがあると肉離れや腰痛リスクが増大。
  • 特にアスリートやデスクワーク中心の人は、内側を意識的に鍛えることで姿勢改善・腰痛予防に繋がります。

3. バランスの取れた体作り

内外をバランスよく鍛えることで、美しい後ろ姿と効率的な動きが得られます。

外側ばかり鍛えると太もも裏の形が外張りして不格好に。


ハムストリングス

制作者 hiroyuki

ハムストリングを含む下半身の筋肉は「第二の心臓」と呼ばれます。

  • 理由は、下半身の筋収縮によって静脈血を心臓に押し戻すポンプ作用が働くから。
  • 特にふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)は強力なポンプ機能を持ちますが、大腿部の大きな筋肉(ハムストリングや大腿四頭筋)も血流改善に寄与。
  • 下半身を鍛えることで、むくみ予防・冷え改善・心臓への負担軽減につながる。

筋トレの観点では、スクワットやデッドリフトで下半身を鍛えることが「全身の血流改善」と「心肺機能のサポート」に直結します。


筋肉の大きさは生まれつき決まっていて変わらないのか?

制作者 hiroyuki

よくある誤解ですが、正確にはこうです。

✅ 変えられない要素(遺伝)

  • 筋肉の「起始・停止位置」や「筋腹の長さ」は遺伝で決まっている。
  • 例:上腕二頭筋が「長い人」「短い人」がいるのは筋腹の長さの違い。
  • これはトレーニングで変えることはできない。

✅ 変えられる要素(トレーニングで可能)

  • 筋肉の断面積(筋肥大)はトレーニングによって大きくできる。
  • 筋繊維の太さや数(衛星細胞の増加)を通じて筋量は増加。
  • 食事・休養・ホルモン状態によっても差が出る。

「形」や「筋腹の長さ」は変えられない(生まれつき)

「大きさ(太さ)」はトレーニング次第で大きくなる

「バイセップスが短い人はピークが出やすい」などの個性はあるが、筋肥大は誰でも可能

外側(大腿二頭筋)を鍛えるトレーニング

大腿二頭筋は「股関節伸展」「膝関節屈曲」で特に作用。爆発的な力(ダッシュ・ジャンプ)に直結します。

  1. ルーマニアンデッドリフト(RDL)
    • バーベルまたはダンベルを使用。
    • 膝を軽く曲げ、股関節を軸にお尻を後ろに突き出しながら上体を前傾。
    • 太ももの裏(特に外側)にストレッチをかけるイメージ。
    • 爆発力と筋肥大に効果的。
  1. グッドモーニング
    • バーベルを背中に担ぎ、腰を曲げて前傾。
    • ハム外側に負荷がかかりやすい。
    • フォームが難しいので軽重量から。
  2. スプリントドリル(ダッシュトレーニング)
    • 20~50mの全力ダッシュ。
    • 大腿二頭筋を瞬発的に使うため、競技者向き。
    • ウェイトトレと組み合わせると伸びやすい。

内側(半腱様筋・半膜様筋)を鍛えるトレーニング

内側は「膝の安定・姿勢維持・ケガ予防」に関わります。

  1. ノルディックハムカール
    • マットに膝立ちし、足首を固定(パートナーや器具で)。
    • ゆっくり前方に倒れながらハムストリングでブレーキをかける。
    • 内側筋を強く刺激でき、肉離れ予防にも効果的。
  2. ライイングレッグカール(内旋バリエーション)
    • マシンを使って膝を曲げる種目。
    • つま先を内側に向けて行うと、内側ハムに効きやすい。
    • 逆に外側に向ければ外側ハムに効く。
  3. ヒップスラスト(内転意識あり)
    • ベンチに背中をつけ、バーベルを骨盤に置いてお尻を上下。
    • 足幅を狭めて、膝を内側に軽く意識すると内側ハムに強く刺激が入る。

バランス重視のコンビネーション

  • 外側狙い:ルーマニアンデッドリフト
  • 内側狙い:ノルディックハムカール

2種目を週2回取り入れると、内外のバランスが整い、肉離れリスクが減少


補足:鍛え分けのコツ

  • 足の向きで調整
    • つま先を外に向ける=外側ハム優位
    • つま先を内に向ける=内側ハム優位
  • フォームを意識
    • 股関節伸展(ヒップヒンジ系)=外側に効きやすい
    • 膝関節屈曲(カール系)=内側に効きやすい

まとめ

ハムストリングは「外側=爆発力」「内側=安定性」という明確な役割分担があります。
一括りに鍛えるのではなく、内外を分けて鍛えることで怪我予防・パフォーマンス向上・美しい後ろ姿をすべて手に入れることができます。

あなたのトレーニングメニューに、ぜひ「内外鍛え分け」の視点を取り入れてみてください。

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